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「あしやにほんごがっきゅうボランティアの会」 マンツーマン指導が人をつなぐ

公民館で行われる授業風景

公民館で行われる授業風景

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 芦屋市立公民館(芦屋市業平町、TEL 0797-35-0700)の重要な事業の一つとして位置づけられ、1993(平成5)年に誕生した「あしやにほんごがっきゅうボランティアの会」が、言語指導を通して草の根の国際交流を続けている。

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 日本に就業の場を求めて訪れる外国人労働者が増え始めた平成初期、「芦屋国際文化住宅都市建設法」を制定する同市は、日本語習得を必要とする外国人に日本語を学ぶ機会を提供するために公民館での日本語教室開講。市内在住のボランティア(支援者)の募集に150人を超す応募があった。平仮名の名称は、「外国人に日本語に親しんでもらいたい」という思いを込める。昨年からコロナウイルスの影響で外国人の来日は激減するが、「日本在住の外国人を守るために少しでもお役に立ちたい」という設立当初から精神で活動を続けている。現在、支援者は20人、学習者は4月時点で13人が学んでいる。

 学習者の出身地は北米、南米、アジア、ヨーロッパの30数か国におよび、累計200人を超す。授業は1年ごとにペア交代制のマンツーマンレッスンで、ひな祭りやお花見、七夕など季節ごとのイベントや、奈良・淡路島などへの遠足、美術館・博物館鑑賞などの校外学習のほか、自国料理を教え合う料理教室を設けて文化交流も行う。

 「日本での生活の悩みや、子どもの学校のいじめ問題、嫁姑問題、進学・帰化や出産・入院手続きなどさまざまな相談に乗っている。卒業生が裁判所の通訳になったり、介護資格を取ってずっと日本で頑張り続けていたり。帰国後に北京の大学の学長になった留学生とは今も家族ぐるみの付き合いが続いている」と話す清水美恵子さんは支援者歴28年になる。自身も海外で暮らした時、何も分からず戸惑うばかりだったが、現地のボランティアに支えられた経験を持つ。

 26年前の1月17日、芦屋市も大震災に見舞われた。夜が明けても余震が続き街中が混乱と不安で動揺する中、倒壊した建物の合間を縫って「先生、生きてるか?」と何度も叫びながら支援者のもとに駆けつけた学習者や、住む場所を無くした学習者に自分の家の部屋を提供し、1年間一緒に生活をした支援者がいる。にほんごがっきゅうが誕生してわずか1年半の間に強い絆が生まれていた。

 事務局の横地加奈子さんは「支援者の皆さんは温かく献身的で細やかな配慮がある。子育ての先輩でもある先生のいる教室に通っていたら心強いと思う。卒業して何年も経っても手紙で近況報告する人が数多く、日本のお母さんのように慕われていることに本当に頭が下がる。ペアになった皆さんはとても仲良く楽しそうで、申し込みに事務室を訪れて来た時とは全然違う顔になった。笑顔であいさつし、レッスン中の表情もとても明るい」と話す。

 在日2年目の米国出身の男性は、「とても楽しくやっている。勉強は楽しいしおもしろい」と話し、在日3年目のシンガポール出身の女性は、「にほんごがっきゅうで新しい友達と母国語で話しが出来た」と喜ぶ。在日20年になる上海出身の女性は、「多くの先生方にいろいろなことを習って日本で楽しく暮らしている。学び始めたころ3歳だった息子が去年大学を出て社会人になり、今年会社で社長賞をもらった」と笑顔を見せる。

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