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高校生の「ユース委員会」、西宮市長に政策提案 リゾ鳴尾浜の活用案も

政策提案した「Youth委員会」の高校生らと石井登志郎西宮市長

政策提案した「Youth委員会」の高校生らと石井登志郎西宮市長

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西宮市内の高校生らで構成する「Youth(ユース)委員会」の政策提案発表会が2月23日、西宮市役所で開かれた。西宮市青少年施策推進課が主催。

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 市内の高校生からの発案で2022年度に活動を始め、本年度で2年目を迎えた同委員会。17人のメンバーがまちづくりや教育などの社会問題について、1年間かけて対話を重ね、活動してきた。

 西宮を「もっと良くする」ため、高校生の視点から考えてまとめた意見や取組を市長や市職員に提案。今回は6つのテーマ「国際交流」「不登校」「環境問題」「社会問題」「まちづくり」「市民祭り」について発表。質疑応答も行われた。

 国際交流グループでは「グローカル・シティの実現」を目指し、他地域での先進事例のカフェ視察や学生へのアンケートを実施。海外にルーツを持つ人が日替わりでメニュー提供する「異文化交流カフェ」を提案した。

 中学時代に不登校を経験した生徒は「学校からの電話が心理的プレッシャーだった」と紹介。当事者の声を聞き、学校内で一人になれるスペース作りなど、きめ細かい支援の必要を伝えた。自己肯定感を高めるため、成績表の形態を「従来の数値から文章へ変更、長所を記載しては」などの意見も出された。

 環境問題への意識向上のため学校内に花壇を設置し、高校生が地域の人と共に花の植樹や水やりなどを行う仕組みの提案もあった。若者の政治離れの実情から、「もっと中高生に興味をもってほしい」と、生徒会選挙での本格的な模擬選挙の実施や学校での政治教育の充実を希望する声も聞かれた。

 まちづくりグループは西宮市内北部(塩瀬・山口)の人口減や交通不便の問題に着目。若者をターゲットにした市内南北をめぐるスタンプラリー「映え巡り in Nishinomiya」を提案。「閉館したリゾ鳴尾浜でのプロジェクションマッピングやコラボカフェなど、若者が行きたいと思えるような取り組みを、ぜひしてほしい」と提案した。

 昨年10月開催の「にしのみや市民祭り」では、初めて同委員会でブースを出店したことも報告。活動紹介動画や「みやたん」が登場するフォトスポットなどで、祭りを盛り上げたという。

 市職員は「高校生からの提案資料を見て、『推し活』など知らない用語の検索から始めた。自分の世代では思いつかない内容で、若い方のあふれるアイデアはすごいと感じた。ぜひこれからも、いろいろな提案をしてほしい」と期待を込める。

 石井市長は「提案に対しての質疑応答でも、自分の言葉で自信を持って答えてくれて進化を感じた。大人の視点では予算上難しいからと当初から諦めて、無難に小さくまとめてしまうこともある。ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーの言葉で『Dennoch(デンノッホ)=それでもなお』と言い続けられる人が社会を変える。ぜひ市だけではできないようなアクションにつなげてもらえたら」とエールを送った。

 同委員会メンバーは「政策を考える難しさを実感したが、この経験は必ず将来に役立つと思う」と締めくくった。

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