阪神タイガースWomen唯一の現役大学生だった山本涼香選手が3月18日、4年間通った関西学院大学(西宮市上ケ原一番町)を卒業した。
黄色の振り袖と緑色の袴(はかま)を着用して卒業式へ出席した山本選手は「意識していたわけではなく、友人に『阪神の色だ』と指摘されて気付いた」と照れ笑い。在学中は、プロ野球選手を複数人輩出している同大準硬式野球部に選手として所属した。
阪神タイガースWomenが昨年創設され、山本選手は現役大学生ながら初代メンバーとして元女子プロ野球選手らと肩を並べた。身長153センチと所属選手の中では小柄だが、高校時代に2度の全国4強入りへ貢献した「俊足・強肩」を生かした守備が持ち味の内野手。昨年は主に遊撃手として活躍した。
「野球のときは野球に集中して、もちろん大学も卒業を目指して」と話す山本選手は文学部心理学科で学びながら、英語の教員免許も取得。卒業に必要な数を上回る単位を取得し、阪神タイガースWomenの活動との文武両道を成し遂げた。
チーム創設から丸1年がたち、「野球スキルの成長も実感している」という。特に成長のきっかけとなったのは、二遊間を組んでいる元女子プロ野球選手・浅野桜子選手との出会いだった。「シーズンオフの自主トレでプロ野球選手から学んだことを教えてくれている。今よりもっと守備に自信を持てるようになっていくと思う」と話し、2018(平成30)年から2年連続でゴールデングラブを受賞している先輩からの学びは大きい。強みである守備を伸ばしつつ、今後は打撃面も強化していくという。
4月からは一般企業で会社員として働きながら、同チームの選手としてプレーする。「選手を学業と両立するより、社会人と両立する方が忙しいのかな、と思っている。今後は社会人としても、野球人としても、手を抜かず『一流』を目指せたら」と意気込みを見せる。