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開園51年の「交通公園」が化粧直し 大手前大生らが新たな息吹

大手前大学の学生と共に色彩改修に参加した石井登志郎西宮市長

大手前大学の学生と共に色彩改修に参加した石井登志郎西宮市長

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 開園から51年が過ぎた西宮交通公園(西宮市久保町)で現在、色あせた遊具・オブジェの塗り替え作業を大手前大学現代社会学部の山下真知子教授と学生らが進めている。11月13日には、石井登志郎西宮市長も参加した。

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 交通公園は「第一次交通戦争」といわれた1960~1970年頃、全国に200カ所以上が整備された。同園が開園したのは、交通事故の死者数が過去最悪の1万6765人を記録した1970(昭和45)年。子どもたちが交通ルールを学べるよう、園内には本物の信号機や道路標識が設置されている。

 開園時には県警ブラスバンドの演奏やゴーカートの園内模倣運転でにぎわったという同園も、時を経て陳腐化。公衆トイレを調査していた山下教授が、街並みを模した同園の朽ちた状況を偶然目にし、市に色彩改修を申し出た。大学研究費で塗料を調達し、学外活動の一環として2019年10月に遊具の塗り替えを始めた。

 山下教授の研究は「空間の色彩が心理に及ぼす影響」がテーマ。子どもが安心して遊べる色選びを意識したほか、市内の路面店を学生と調査し、スーパーや酒屋のオブジェを加えるなど、時代に合った西宮らしさをデザインに反映した。

 小春日和の下で学生7人とローラーを動かした石井市長は「爽快な気分。公園にも愛着が沸く。こうした取り組みは、さらに広がってほしい」と期待を込める。

 山下教授は「塗ったペンキは50年はもつ。そのとき私はもういないが、学生たちは生きているだろうから、子や孫を連れてここへ来るかも。みんなに愛される公園として残ってほしい」と話す。

 改修完了は2022年4月を予定。

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