阪神・淡路大震災の発生から29年目を迎える1月17日を前に、被災地の一つ、宝塚市では追悼関連行事が今年も行われた。
阪急宝塚南口駅すぐの武庫川河川敷、宝塚大橋南詰では同市在住の現代美術家、大野良平さんが「街と人の心の再生」を願い創作した「生」の石積みオブジェを制作。地震発生時刻12時間前の17時46分から黙とうと追悼コンサートを行い、市内の犠牲者と同じ119本のキャンドルでライトアップ。
命の大切さを伝えていく「生」の石積みオブジェは、縦約20メートル、横約10メートルで、震災から10年後の2005(平成17)年、大野さんが街と人の心の再生を願って創作したもの。大雨で流される度に市民らが積み直し、今回で13代目となる。
オブジェは、阪神・淡路大震災発生の1月17日の前夜に、追悼行事としてライトアップされ、祈りの場としても定着。大野さんは「震災を知らない世代が増える中、震災の記憶の継承が問われている。そうした中で起きた今回の能登半島地震。今、私たちにできることは、被災者に寄り添い、心傷ついた皆さんの思いを共有すること。その後も続く、世界で絶えることのない紛争も含め、今日が、震災犠牲者を追悼するとともに、それぞれがそれぞれのかけがえのない命と向き合う日となることを願っている。被災地の復興を心より祈っている」と話す。