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中川智子前宝塚市長、「『私は私』を大切にする生き方」テーマ講演

笑顔で参加者にエールを送る中川智子前宝塚市長

笑顔で参加者にエールを送る中川智子前宝塚市長

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 当日は市民ら80人が参加。中川さんは、自身の学生時代から市長時代までを振り返り、「いつも自分に正直に、社会と向き合い行動を起こしてきた」ことを詳しく紹介した。

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 主催は、今関明子さんが立ち上げた「放課後学習ボランティア支援の会」(神戸市垂水区)と同講演会を機に市民らで構成した「おかげさまの会」。今関さんは「誰しも毎日の暮らしの中でつい世間体を気にして、自分の本意でないことをしたり、言葉を飲み込んだり、何か違うと思いながらも、ゆっくりその違和感に向き合う時間もないと思うことがある。常に自分に正直に、社会と向き合い行動を起こしてきた中川さんから、小さな勇気の持ち方や気持ちの切り替え方を教えてほしい」と会を企画した。

 講演の中で中川さんは、子育て中には「○○ちゃんのママ、□□さんの奥さん」と呼ばれる日々。『自分』という存在が揺らいでしまい、自分が嫌いになったことや、他の家庭の子どもと比較してしまい子育てがしんどくなってしまった経験を紹介。状況を打開するため、まずは隣人のママ友に心の中の思いを全てを話し、そこから離乳食作り合いや読書会開催、順番に子どもを見守り、その間、母親は自由に過ごす時間を作るなどの取り組みを行った。その結果、少しずつ子育てが楽になり、仲間ができてきたエピソードを語った。

 子どもが小学生時代、文科省からの通達で給食の合理化が進められることを知った中川さんは「給食が危ない」と気付き、「学校給食を考える会」を立ち上げ。その後、PTAとしても学校給食をテーマに活動し、ライフワークとなったという。学校給食課を教育委員会から外そうとした動きがあった時には、2カ月で2万7000の署名を集めたという。

 こうした活動をする中で、世間からはいろいろと言われることがあった。そんな時に「もう世間は捨てる」と言った中川さんに、「世間を作るのは自分だよ」と夫が諭してくれたという。

 阪神淡路大震災後のボランティア活動、その後、衆議院議員や宝塚市長を務めた時の経験も語った。講演後には、大学生やシングルマザー団体代表から積極的に質問が寄せられた。「政治と暮らしは隣り合わせ。ぜひ社会と向き合って、自分から動いて小さな一歩を踏み出して」と中川さんは笑顔で参加者にエールを送った。

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