「甲子園ブラスバンドフェスティバル2023」が6月11日、阪神甲子園球場(西宮市甲子園町)で開催された.
高校野球の球児らを音楽で応援し、球場全体を盛り上げるブラスバンド。その吹奏楽部の生徒らを主役に、「音楽の持つ力を楽しんでほしい」と企画。今回が初めての試みで、「阪神甲子園球場100周年記念事業」の関連イベントの一つとして開いた。
出場校は高校野球の強豪を含む8校。智辯学園和歌山(和歌山)、履正社(大阪)、智辯学園(奈良)、近江(滋賀)、龍谷大平安(京都)、四條畷学園(大阪)、市立尼崎(兵庫)、習志野(千葉)(演奏順)。オープニングでは、大会歌「栄冠は君に輝く」を全校で合同演奏。その後、各校が校歌や応援歌を披露した。
前阪神タイガース監督の矢野燿大さんがゲスト出演し、ABCテレビの福戸あやアナウンサーが司会を務めた。自身も吹奏楽経験者である「高校野球ブラバン応援研究家」梅津有希子さんもコメンテーターとして参加。演奏後、顧問にインタビューし、各校のエピソードを紹介した。
智辯学園和歌山と智辯学園は、両校共通の勝負曲「ジョックロック」を、それぞれ演奏。「同じ曲だが、智辯学園の方が、少しテンポがゆっくり」と智弁学園の顧問・木山竜志さんが解説した。
全日本吹奏楽コンクール、全日本マーチングコンテストで2年連続金賞を受賞する習志野の顧問・石津谷治法さんは、「コンクールと野球応援が同日に重なった時は、コンクールで演奏してから野球場に駆けつけたこともある。野球部も頑張っているから、私達吹奏楽も頑張ろうと元気をもらえる」と話した。
沖縄代表校の友情応援を長年行っている市立尼崎は「ハイサイおじさん」「六甲おろし」を演奏し、会場を盛り上げた。フィナーレでは、1塁側・3塁側の両アルプス席から「アフリカンシンフォニー」を全校合同で演奏し締めくくった。
観客の男性は「一足早く夏の甲子園の雰囲気を味わえた。甲子園球場は球児だけでなく、吹奏楽の生徒たちにとっても特別な場所なんだと、歴史を感じた。とても良い取り組みなので、ぜひこれからも続けてもらえたら」と話していた。