昨年のドラフト会議で広島東洋カープから1位指名を受けた黒原拓未さんなど、多くのプロ野球選手を輩出してきた関西学院大学（西宮市上ケ原一番町）硬式野球部に女子チームが設立されて2か月が過ぎた。

　チームは現在「関西学院大学女子硬式野球同好会」の名前で活動し、インスタグラムで情報発信したり、チームメート募集を呼びかけたりしている。

　発起人で人間福祉学部人間科学科1年の藤本莉央さんは昨年まで、岡山学芸館高校女子硬式野球部1期生のキャプテンを務め、初出場の全日本選手権では8強入りを果たした野球歴13年目の実力者。「大学4年間で部員が集まり、試合で1勝できたらいいと思っていたが、予想以上のペースで仲間が増えていることに驚いている」と胸を高鳴らせる。

　現在集まっている仲間のほとんどが野球経験ゼロ。しかし、好奇心旺盛な選手がそろい、笑顔が絶えない和気あいあいとしたチームになっているという。

普段の練習は、男子硬式野球部と同じグラウンドや道具を使用。夜間照明に照らされながら18時からの約2時間、恵まれた環境下で練習できる。メニューは藤本さんが考え、チームメートへの技術指導も行う。週末は場所を移し、中学生チームなどと合同練習や練習試合を行っている。

　まずは全日本大学女子硬式野球連盟（JUWBF）への加盟を目指す。将来的には「公式戦へ単独出場して1勝したい」という藤本さん。高校時代は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため公式戦が次々と中止になり、3年時の春にようやく公式戦初白星を挙げられた。

「あの1勝は本当に忘れられないものになった。女の子同士で野球ができるだけでもすごく楽しいことだが、大事な仲間だからこそ、みんなに勝つ喜びを味わってほしい。勝つ楽しさも知ってほしい」