「炭火焼肉 伸 甲子園本店」(甲子園七番町、TEL 0798-49-7088)が12月18日で10周年を迎えた。
「うまいと言って帰って、また来てくれるのが一番。大衆の焼き肉屋だが、いい肉を提供したいと思っている。同じことを10年やってこられて自信になった。お客さまみんなにかわいがってもらえありがたい」
そう語るのは店主の中込伸さん。阪神タイガースへ1988(昭和63)年にドラフト1位で入団すると、1992(平成4)年には9勝を挙げ、同年のヤクルト・巨人とシーズン終盤まで続いた優勝争いを支えた主軸投手だ。現在は古巣・阪神甲子園球場のほど近くに店を構え、中込さん自身が毎日厨房に立っている。客に話しかけられるとジョークを交えながら談笑し、アットホームな空気が漂う。ホール業務をこなす妻の美香さん、娘の杏樹さん、麻里衣さんと共に家族全員で店を支えてきた。
同店お薦めメニューは「ミスジ」。牛の肩から腕にある部位で、1頭から約3キロしか取れない希少部位。リピート客が多いという。
阪神タイガースのホームゲームがある日は、同球団のユニホームを着た客で店内は満席に。ファン同士や中込さんと試合結果について言葉を交わしながら「余韻に浸れる場」にもなっている。中込さんは阪神ファンと交流できた10年間を振り返り、「アンチ中込も多いけど、ラブ中込もたくさんいることを知ることができた」と頬を緩める。
阪神現役時代に独身寮「虎風荘」で寝食を共にしたビッグボスこと新庄剛志さん(日本ハムファイターズ監督)に話が及ぶと、「俺が頑張っているから、あいつも頑張っている。あいつが来て、店のTシャツを着るまでは頑張ろうと思う」と一括。若虎の頃はよく一緒に遊んだ仲だという。
営業時間は17時~23時。