学ぶ・知る

女子高校野球大会開幕、甲子園で初の決勝戦へ 履正社・前中選手の胸中を聞く

履正社女子硬式野球部・前中志穂選手

履正社女子硬式野球部・前中志穂選手

  • 35

  •  

 第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会が7月24日、兵庫県丹波市で開幕した。決勝戦が8月22日、高校野球の聖地・阪神甲子園球場(西宮市甲子園町)で開催される。高校野球史上初めて、女子高校球児が聖地でプレーする権利が与えられた。

[広告]

「甲子園は中学生のころからの夢だった」――

 そう話す前中志穂選手は、決勝進出を夢見る女子高校球児の一人。阪神甲子園球場の近くにある西宮市立上甲子園中学校(西宮市上甲子園4)を卒業し、現在は履正社高校(大阪府豊中市)の女子硬式野球部に所属する3年生だ。

 西宮生まれの前中選手は、西宮市の伝統行事「西宮市立小学校連合体育大会(小連体)」「西宮市立中学校連合体育大会(中連体)で、既に阪神甲子園球場の土を踏んでいる。小学生のときに出場した学校対抗リレーではアンカーを務め、俊足を生かし1位を取った。中学では男子と一緒に野球部に所属し、約30人の部員をまとめる主将も経験。

 「高校へ進学すると甲子園球場周辺の出身であることをうらやましいと言われることが多く、甲子園球場を『すごい場所なんやな』と感じるようになった」

 浜風に乗った六甲おろしが聞こえる環境で育ち、今も聖地近くの自宅から通学している。阪神甲子園球場は一番身近な球場だ。しかし、女子高校球児はどんなに努力をしてもかなわない、遠くの大舞台であるとも感じた。だからこそ甲子園を目指せることを知ったときは、うれしさがこみ上げた。

 「女子も甲子園を目指せるタイミングで高校野球をできていることが幸せだなと感じる。(もし決勝戦に進出すれば)緊張すると思うけど、せっかく聖地でプレーできるので、チームメイトとしっかり楽しみたい」

 履正社女子硬式野球部は2017(平成29)年と2019年の夏に決勝へ進出。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で春夏共に大会が中止になったが、今春の選抜大会でも準優勝の成績を収めている。履正社女子硬式野球部にとって悲願の夏制覇を目指す。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース