西宮の焼き鳥店「焼き鳥じゅげむ」(西宮市甲子園八番町6)が9月、ご当地空揚げ「甲子園ヒーロー揚げ」の冷凍商品のネット販売を始め、早くも東京、横浜、高知など遠方からも注文が寄せられている。
「甲子園ヒーロー揚げ」は阪神甲子園球場近辺の飲食店で食べることができるご当地グルメ。地域で広がったきっかけは、もともと同店の人気メニューを、店主の山崎哲さんが「甲子園のご当地グルメにしたい」と近所の店に作り方を教えて回ったのが始まり。取り扱う店は居酒屋やそば店、中華料理店、すし店などさまざまで、今では11店舗を数える。ご当地グルメとして今後も普及させるため、西宮・甲子園ヒーロー揚げ推進委員会も結成された。
甲子園ヒーロー揚げの3カ条は「手羽中2つ割りスタイル」「サクサクの衣」「香るにんにくタレ」で、骨の部分を持って片手で簡単に、一口で食べられるのが特徴。見た目の形は同じだが、下味や油、タレなどは各店のオリジナルで、店ごとの味を食べ比べる楽しみもある。認知が上がるにつれ地元の祭りや百貨店の催事、全国のグルメイベントなどからも声が掛かるようになり、テレビや新聞、ラジオでも多数紹介され、着実にファンを増やしている。
ネット販売を始めたのは購入する客から「家族や友人へのお土産に買って帰りたい」という声が増えたことがきっかけ。より多くの人に味わってもらいたいと冷凍食品の販売を思いついた。
「家庭でも簡単においしい味が再現できるように商品化するのに苦労した。全国のイベントに参加すると、食べてくれたお客さんがネットで再度買ってくれているのが分かってありがたい。今まで味わってもらえなかった遠方の人からもおいしいと言ってもらえるのはうれしい」と山崎さん。「より一層おいしいと言ってもらいたいので、味についてはまだまだ追求していきたい。ヒーロー揚げをきっかけに甲子園に足を運んでくれる人が増えることが、ご当地グルメで頑張ってる仲間全員の願」とも。