西宮ユネスコ協会創立60周年記念のチャリティーコンサートが2月18日、兵庫県立芸術文化センター(西宮市高松町)神戸女学院小ホールで開催された。西宮ユネスコ協会が主催。
「歌とピアノでたどる世界音楽紀行」とタイトルが付けられた同コンサート。前半は公務員ピアニスト・谷口博章さんのピアノソロ、後半は妻のソプラノ歌手・老田裕子さんと共に夫妻デュオによる演奏を披露した。
曲目はショパン作曲「ノクターン」、ミュージカル「マイフェアレディ」より「踊り明かそう」、シベリウス作曲「3月の雪の上のダイアモンド」など全11曲。世界各国の作曲家の作品を披露し、「世界旅行に行った気持ちで音楽を楽しみながら、さまざまな国の文化を理解していただれば」と話した。家での練習のエピソードを老田さんが紹介し、会場が笑いに包まれる場面もあった。
R.シュトラウス作曲の「Morgen(明日!)」は「明日はきっともっと良くなる」という意味が込められていることを紹介。2018(平成30)年に脳梗塞を罹患(りかん)した谷口さんは「この曲のように希望を捨てず、自分ができることを頑張ろう」とリハビリに励み、ピアノが演奏できるまで回復したエピソードも語った。
2011(平成23)年の東日本大震災時には、市職員として宮城県南三陸町に赴き、町長秘書業務と広報業務を担当した谷口さん。派遣最終日には避難所2カ所でミニコンサートを開き、被災者らを音楽で励ました。現在も音楽を通じて南三陸町支援活動を継続しているという。
アンコールには西宮出身の作曲家・なかにしあかねさんの「椿」を演奏。ピアノに合わせて、老田さんが表情豊かに歌い上げた。「平和への願いを込めて、この時期にこの曲を演奏できて良かった」と谷口さんは話す。