甲東園の頴川グリーンホール（西宮市上甲東園1）で11月27日、ピアニスト古川莉紗さんの「錦秋サロンコンサート」が開催された。西宮を中心に活動する超名曲コンサート実行委員会が主催する「ミジカムジカ」の22回目公演。

　古川さんは神戸女学院大学、同大学院音楽研究科修了。ショパン国際ピアノコンクール in ASIAアジア大会入選、神戸新人音楽賞コンクール優秀賞など多数受賞歴があり、幅広く音楽活動を行っている。

　同コンサートではドビュッシー「2つのアラベスク」、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、ショパン「バラード第4番　ヘ短調」、ベートーベン「ピアノ・ソナタ第31番」などクラシック6曲を演奏。アンコールでは「ノクターン」「幻想即興曲」も披露し、会場は拍手に包まれた。

　同ホールは、旧頴川美術館をリニューアル工事し、2021年4月より兵庫県立美術館西宮分館として一般利用が可能になった。1階に茶室（8畳）、2階にホールとしても利用可能な会議室がある。

　施設の特徴を生かし、今回は演奏前に茶室で呈茶も行った。担当した裏千家流茶道講師・福崎希美さんは「音楽と茶道は、どちらも心を潤し感性を豊かにしてくれる芸術文化。五感を開いて、洋と和の融合を楽しんでもらえたら」と話す。

　古川さんは「秋の午後にとても心地よく演奏することができた。ピアノの音も良く響き、お客さまとの距離感もちょうど良い。抹茶を飲んでホールに上がって来た方がとても穏やかな表情をしていたのも印象的だった」と笑顔で振り返る。