鳴尾八幡神社(西宮市上鳴尾町)で7月9日、夏祭りが開催された。数十年ぶりに露店も並んだ。
平成30年の台風21号による倒木で本殿が損傷するなど大きな被害を受けた同神社。2年間宮司が不在になり、境内が廃虚のようになった時期もあったが、「鳴尾の宝物を守りたい」と、地域の有志ボランティアらが地道な清掃活動を3年間続けてきた。
昨年末に西宮神社から新宮司・吉井良昭さんを迎え、新たな歴史がスタート。初詣、茅の輪くぐりに続く行事として夏祭りが開かれ、大勢の参拝客で境内はにぎわいを取り戻した。
修復を終えた本殿前では和太鼓「かざぐるま」が演奏を披露したほか、広場では地元の鳴尾中学校コーラス部、鳴尾高校ストリングオーケストラ部、鳴尾吹奏楽団らが音楽を奏でた。大学生主催の子ども理科実験では、スライムや人工イクラ作りが行われた。蚤(のみ)の市や昔から伝わる神輿(みこし)の展示もあった。
参加した親子は「境内がすごい人でびっくりしたが、地元の神社がにぎわいを取り戻して、すごくうれしい。かき氷や綿あめを食べて、親子で夏祭りの雰囲気を楽しむことができた」と笑顔で話していた。