伊ボローニャで毎年行われる絵本原画コンクールの入選作品を集めた「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」が現在、西宮市大谷記念美術館(西宮市中浜町)で開かれている。
子どもの本専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」で行われる絵本原画コンクールの入選作を紹介する同展。同コンクールは、5点1組のイラストを用意すれば応募できるため、新人イラストレーターの登竜門としても知られる。今年は68カ国・地域の作家3235組から応募があり、日本人8人を含む23カ国・地域の76組が入選した。
同展は1978(昭和53)年から続く人気の企画展。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、2年ぶりの開催となった。今年のコンクールの審査はオンラインで行われたため、イタリアでは入選作の原画展示ができなかった。
会場では、水彩や色鉛筆、アクリル、デジタルメディア、粘土、刺しゅう、コラージュなどさまざまな技法で描かれた入選作家76組の作品計380点を展示。大胆なタッチの作品やモノトーンの作品、繊細な色遣いの作品、自然科学の世界をポップに表現した作品、難民をテーマにしたノンフィクションなど、作家の個性があふれる作品が並んだ。
同館学芸員の作花(さっか)麻帆さんは「今年は特に色鮮やかな作品や、動物が登場する作品が多い印象です。空想の世界を描いた作品や社会情勢が含まれた作品などがあり、年齢を問わずにいろいろな楽しみ方ができるのでは」と話す。
開館時間は10時~17時。水曜休館。入館料は、一般=1,200円、高大生=60円、小中生=400円ほか。新型コロナウイルス感染対策として、消毒や検温を行うほか、密にならないように入場者数を調整して開いている。9月26日まで。