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門戸厄神のバーがサンクスギビングデー 常連客などへの感謝の気持ち込め企画

長崎正さんが撮影した店主・植田幸一さんの大切な一枚

長崎正さんが撮影した店主・植田幸一さんの大切な一枚

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 コロナ禍による営業自粛で一時は閉店を覚悟したオーセンティックバー「ビーウィッチド」(西宮市門戸荘、TEL 0798-53-7111)が12月26日・27日の2日間、応援してくれる常連客などへの感謝の気持ちを込めて「サンクスギビングデー」を行う。

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 毎週末にはライブもあり、遠方からの客も訪れていた同店だが、コロナ禍による営業自粛の余波はあまりにも大きかった。店主の植田幸一さんは、「コロナが終息しても、もうカウンターには立てないかもしれない」と、小学校の同級生でプロ写真家の長崎正さんにバーテンダー姿の記念写真を撮ってもらった。そうした折、ライブ出演していたミュージシャンからクラウドファンディングを提案される。常連客に相談すると「やってみるべき」と背中を押され支援を募ることに。そして支援金が届くまで、炎天下の建設現場で警備のアルバイトをしながら歯を食いしばった。募集最終日、支援者は217人におよび、目標額の735%達成という想定外の結果が待っていた。「あの時、ちゅうちょと不安で始めたクラウドファンディングだったが、地元はもとより全国から次々と支援を頂いて…」と植田さんは目を潤ます。

 自身もドラマーとして音楽を楽しむ植田さんは、かつて大手損害保険会社に勤めていたが、音楽仲間の前オーナーから「手伝ってもらえないか」と声を掛けられ、この世界に飛び込んだ。当時大阪市北区に構えていたホテルプラザの「重厚な中にも気さくな雰囲気が魅力」だったと言う「マルコポーロバー」を目標に、月20軒ほど手当たり次第にバーを巡り、本で知識を得るなどして頑張ってみるも、「開店1カ月後にはプレッシャーに打ちのめされた」。

 そんな植田さんを見て、毎月1度店を訪れては「一口だけ飲んでみて。後は持って帰って僕が飲むから、一口だけな」と言いながらワインの栓を抜き、強引に植田さんに飲ませる客がいた。「あのころの僕はワインが苦手で、それが苦痛だったが、後になって僕を育ててくれていたことに気付き、ありがたかった」と振り返る。

 自粛期間中の夜、警備と換気を兼ねて店に明かりをつけると、「営業している」「あの店から陽性が出た」などとデマのビラをまかれたこともあったが、そんな時にも地元の人たちが「これ食べてよ」「元気出しや」と、おにぎりやすし、菓子などを持って激励に来てくれた。「開店当初からかわいがっていただき、今回も地元の人々や全国の皆さんの支援と激励を頂いた。感謝しかない」と植田さん。

 サンクスギビングデーでは、原木切り落とし生ハム付きミニオードブルのプレゼントの他、限定ウイスキーとワインが30~50%オフ、さらに、コロナで販売を止めていたドラフトギネス(生ビール)を再開し、スパークリングワインとともに半額で提供。

ソーシャルディスタンスを保つため人数限定。各日18時~24時。予約優先。20時からジャズユニット「浅龍(あさりゅう)&さつき」のチャージ無し、投げ銭制のライブも行う。

 営業時間は19時~翌2時。日曜定休。

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