ライトノベルやアニメで人気の「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」に登場した時計塔が西宮北口駅前の「にしきた公園(西宮市甲風園)」に5年ぶりに復活し、4月12日に除幕式が行われた。時計塔は1993年に設置され、公園改修のために2009年に撤去されていたが、ファンや地域住民の間で惜しむ声も根強く、多くの要望に応える形で西宮市と地元商店街が協力し復活が実現した。
除幕式は15時すぎに行われ、駆け付けた多くのファンが見守る中、ゆっくりと幕が除かれ、復元により真新しくなった時計塔が出現。大きな歓声が上がり、中には感極まって涙ぐむファンの姿も見られた。
時計塔の復活に尽力した、にしきた商店街会長の矢田貝充彦さんは「聖地巡礼で西宮北口を訪れるファンのパワーはすごい。時計塔の復活を機に、時間をかけてじっくりと商店街や地域活性化につなげていければ」と思いを話す。
東京から駆け付けたハルヒファンの中嶋尚子さんは「もともと西宮に住んでいたので、5年前に撤去を知った時は住民としてもハルヒファンとしても二重に悲しく毎日見に来ていた。初めは作り直して復元されると思っていたので、もともとあった時計が帰ってきてくれたのがうれしい。工事の時、時計がぼろぼろになっていつ止まってもおかしくない状態だった。もしあの時止まっていたらスクラップにされて今日はなかったと思うので、よく動いていてくれたと思う」と胸中を明かす。
「5年前に時計が撤去された時は復活するなんて想像もできなかったのでとても感動している。駅前公園は物語の中では非常に重要な舞台なので、その面影が戻ってくれてうれしい」と話すのは、同市在住でハルヒファンのきーぼーさん。「普通に復活するだけでなく、こうして除幕式まで行ってもらえたのは時計にとってもハルヒファンにとっても幸せ。これを機会に西宮に来てもらえれば」とも。