西宮市西部を流れる夙川河川敷でソメイヨシノが一斉に開花し見頃を迎えている。
同所のソメイヨシノは約1700本。阪急夙川駅北側から河口近くにかけて約2.7キロの両岸で花のトンネルをつくる。ソメイヨシノのほか「夙川舞桜」「西宮権現平桜」などの珍しい桜も花を咲かせ、阪神間では有数の花見どころ。例年、開花時期には週末を中心に多数の観光客が訪れる。1990年には「日本さくら名所100選」の一つにも選ばれた。
今年の開花は3月25日ごろ。標準木を観測する神戸地方気象台の開花宣言(27日)よりも2日ほど早かった。取材日の30日には三分咲きから五分咲きに。あいにくの天候とあって出足は少なかったものの、近隣住民らが雨にうつむく花の風情をゆっくりと楽しむ様子が見られた。
市内に住む主婦・小堀菜都子さんは「昨年は強風や雨の日が多く、せっかくの桜もあっという間に感じた。今年は子ども連れでの散歩が何回できるか楽しみ」と話す。
満開の見通しは4月早々。6日には川沿いの夙川公民館(西宮市羽衣町)と阪急苦楽園口駅東口河川敷(南越木岩町)の2会場で48回目を数える恒例行事「西宮さくら祭」(西宮市など主催)も開催される。公民館内のホールでは地元住民らが「夙川音楽街道」と題してジャズを中心とするコンサートを開くほか、苦楽園口ではボランティアが桜の見どころを案内する「桜めぐりミニツアー」もある。当日は約10万人の人出を見込む。