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西宮に新酒シーズン到来を知らせる「酒林」登場-最大85センチ・50キロ

良い酒ができることを祈願して辰馬本家酒造の社員自らが手作りする「酒林」

良い酒ができることを祈願して辰馬本家酒造の社員自らが手作りする「酒林」

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 その年の新酒の出来上がりを知らせる「酒林(さかばやし)」が12月6日、「白鹿記念酒造博物館(愛称=酒ミュージアム)」(西宮市鞍掛町)の玄関先につり出された。

直径約85センチ・重さ約50キロ。「志(し)るしの杉玉」と書かれた札がつるされた白鹿記念酒造博物館の「酒林」

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 酒林は別名「杉玉(すぎたま)」とも呼ばれ、青々とした杉の葉を丸い竹かごに差し込み球状に刈り込み形を整えたもの。「志(し)るしの杉玉」と書かれた札がつるされている通り、もともとは新酒ができた印として、造り酒屋などの軒先につるす江戸時代からの風習。1年を通じてつり下げられ赤褐色に変色する過程が、貯蔵されている新酒の熟成具合を表現しているといわれる。

 同館の酒林は毎年12月初旬、良い酒ができることを祈願して辰馬本家酒造の社員自らが手作りする。大きさは直径約85センチ・重さ約50キロ。「酒造館」「白鹿クラシックス」などにつり下げられる10個の中でも最大。社員2人が中心となって、仕事の合間に約2週間かけて製作に取り組んだ。最近では金網や発泡スチロールに杉の葉を差し込むものもあるが、同社では芯となる竹かごを編んで作るという伝統的な方法を守っている。

 「訪れたお客さまが最初に目にするものなので、きれいな球体に仕上げるようにしている」と同社製造部の竹内光秀さん。杉の葉にもこだわりがあり、兵庫県丹波市の山から採取した新芽が出たばかりの杉からえりすぐった色付きのいいものを使っている。「今年は杉の葉を多く使ったため製作時間はかかったが、隙間の少ない密度の濃い酒林ができた。杉の爽やかな香りもお楽しみいただければ」とも。

 開館時間は10時~17時。火曜休館。入館料は、一般=400円、中小生=200円。同館玄関先にある酒林の見学は無料、酒造館内にある酒林は有料。

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