甲子園短期大学(西宮市瓦林町4)で5月13日、エキウムの一般公開が始まった。公開されたのはマデイラ諸島原産の「エキウム・カンディカンス」。
希少なエキウム蜂蜜は市内の洋菓子店「ラ・バニーユ」で購入可能
その外見から「宝石の塔」とも呼ばれるエキウム。同大園芸実習場内の一角にある約15平方メートルの敷地に10株植えられており、毎年5月に青や紫の花を咲かせる。花序(花の集まり)に2000個の小さな花を咲かせ、1株では10万個の花を咲かせるという。
エキウム・カンディカンスの花にはたくさんのセイヨウミツバチが集まることから、同大では市内の養蜂家とともに「エキウム蜂蜜」の開発も進めている。カンディカンスは約50日間開花することからミツバチの吸蜜期間も長く、鑑賞用だけではなく「蜜源植物」としての期待度も大きい。本年度養蜂は行っていないが、エキウム蜂蜜は市内の洋菓子店「ラ・バニーユ」(西宮市上甲子園3、0798-44-3558)で購入が可能。
同大では2005年からエキウムの栽培を始め、2007年以降、開花時期に合わせ一般公開を始めた。毎年約200人の来場者が訪れ花の美しさ楽しむ。
見学に来ていた西宮市在住の笹原さん夫婦は「近所なので花の成長は毎日楽しめるが、間近で見られる一般公開を楽しみにしていた」と話す。公開初日の13日は尼崎や宝塚からの来場者も。
エキウムの栽培に取り組む同大の土橋豊教授は「もともと亜熱帯の高山植物なので日本の環境に適応させることが難しい。2012年には猛暑によりほとんどの株が枯れてしまったこともあった。本年度から株を遮熱・断熱効果のあるドームで囲った」と栽培の苦労を明かす。「栽培のプロと養蜂のプロが連携することにより、今後のエキウムの持つ可能性を広げていきたい」とも。15日14時から、同教授による公開講座「エキウムによる地域活性化の可能性」も開く。申し込み不要。
一般公開は15日13時~14時、17日10時~12時にも予定する。