阪神タイガースの元アスレチックトレーナー・権田康徳さんが代表を務める「Double Rainbow ASHIYA for Training & Care」(芦屋市春日町、TEL 0797-26-8816)が5月15日、稲荷山線沿いにオープンした。
同施設は、「四季折々の風と緑を感じながらトレーニングを通して流す汗と、穏やかな気持ちになれるケアを提供する」ことをコンセプトに、さまざまなニーズに合わせたプログラムを提供する。アスリートに限らず幅広い世代を対象に、体力・筋力向上、障害予防、体力測定、食事指導などを行う。
権田さんは専門学校卒業後、アメリカのアラバマ大学とアリゾナ州立大学の大学院で専門的知識を深め、全米アスレティックトレーナーズ協会公認アスレティックトレーナー(NATA-ATC)を取得。阪神戦をいつもテレビ観戦する家庭に育ち、20歳の頃から「あのベンチの隅に立って、選手がけがをしたときに飛び出していきたい」と思うようになったという。17年後に阪神入団の夢をかなえ、昨年まで15年間務めていた。トレーナー歴は25年に及ぶ。
2009(平成21)年に赤星憲広さんがダイビングキャッチを試みて脊椎を損傷した試合や、2014(平成26)年に西岡剛さんがクロスプレーにより大けがを負った試合、2017(平成29)年の鳥谷敬さんが顔面死球を受けた試合などに帯同し、全力でプレーする選手たちの体を支えてきた。
「阪神では大変なこともあったが、十分に楽しいことも経験させてもらえた。(勤務期間が)15年、50歳できりが良い。真剣に退団を考えていた(昨年)9月、試合が無い月曜の夕方、仁川に架かる二重の虹を見た」
「重なった虹は『幸運のサイン』と言われている。ハワイの言い伝えでは、今まで頑張ってきたことが迎え終わりに近づいていることと、新しい道へ進むと世界が開けていくことを意味しているそう」。妻でタレントの安陵真理子さんからの助言もあり、施設名を「ダブルレインボー」に決めたという。
米国留学中に恩師から「アスレチックトレーナーたるもの、若く未熟なアスリートの教育者であり指導者であり、懸け橋になりなさい」と言われた言葉にも由来する。「お客さまも、このジムへ来たことで、帰り道が、明日からが、新しい門出になるように。僕はそのために虹のような架け橋になれるように」と願いを込める。
営業時間は10時~21時30分(日曜・祝日は22時まで)。月曜定休。