西宮北部の生瀬地区で10月1日、コミュニティーバス「ぐるっと生瀬」が本格運行を開始した。運行は同地区の9自治会が参加する「ぐるっと生瀬」運行協議会。
コミュニティーバスは、公共交通が不便な地域などで住民の移動手段を確保しようと地方自治体などが運行するバスのこと。1995年に運行が始まった東京都武蔵野市の「ムーバス」を皮切りに、国内各地へ広がりを見せた。
「ぐるっと生瀬」は、高齢者の交通手段確保が長年の課題だった同地区の有志が2006年、コミュニティーバスの導入を市に要望したことが始まり。2009年から4回にわたり試験運行を重ねることで知名度と利用度の向上に努めてきた。最近の試験運行では、目標に据えてきた1日平均の利用者数50人を突破。これを受け、市内初となる本格運行にこぎ着けた。
運行する車両は現在、10人乗りのジャンボタクシー1台。10月末からは14人乗りの小型バスに切り替える。ルートは阪急宝塚駅を起終点とする同地区内6路線。1日合計20便で、平日のみ運行する。
「利用者からは『コミバスのおかげで2年ぶりに友人と再会できた』と言う声も上がっている」と同協議会の石原隆典事務局長。「交通の不便さを解消するのみならず、人同士・自治会同士がつながり合う機会を提供していきたい」と意欲を見せる。
運賃は300円(小学生200円)。