西宮のご当地グルメを目指す「甲子園ヒーロー揚げ」本家として知られる「焼き鳥 じゅげむ」(以下じゅげむ)の元スタッフが5月1日、ユニークな「のれん分け」システムを使って、甲子園球場の南側・酒蔵通り沿いに「炭火焼きとり 功月(こうづき)」(西宮市甲子園網引町、TEL 0798-43-5560)を開いた。
独立したのは渡邊篤夫さん。3年前に参加した西宮市主催の飲食店開業セミナーで、同セミナーの講師を務めていた「じゅげむ」オーナー・山崎哲さんと出会ったことをきっかけに同店へ勤めるとともに、「将来自分の店を持ちたい」と夢見るスタッフのサポートが目的の「のれん分け」システムを使い独立を果たした。同システムを使っての独立は、渡邊さんが2人目という。
同システムは、スタッフが入社して3年後には独立できるようにバックアップする仕組み。独立志望のスタッフには山崎さんが金融機関の担当者を紹介する。スタッフは、担当者と話し合って口座を開設。開設した口座に給与のうち毎月8万5,000円(独身者の場合)を積み立てていくことで、3年間かけて銀行からの信用と約300万円の開業資金を得ることができるという。独立に必要な調理や仕入れ、帳簿記帳などは勤務を通じて実践的に習得。調理師免許やフードコーディネーターの資格も取ることができる。
システムを考案した山崎さんは「夢に日付を入れると目標になる。目標があれば仕事にも精が出て、本人にもやりがいがあり、お客さんへのサービスも質も高くなり、それが巡って店にもプラスになる。三方良しのシステム」と胸を張る。「渡邊さんの夢はこれからが本番。周りの人を成功させる事が自分の成功の近道なので、お客さんをどんどん幸せにしてほしい」とエールを送る。
店舗面積は約8坪。カンター席7席とテーブル席6席の計15席。メニューは、メーン料理の炭火にこだわった焼き鳥、串焼きは「ずり」「きも」「かわ」「ネック」(以上240円)、「ねぎま」「つくね」「しそ」「こころ」(以上260円)など。西宮のご当地名物「甲子園ヒーロー揚げ」は4種類を提供。「しお」(430円)、「なんばん」「おろしポン酢」「ニンニク」(以上460円)(価格は全て税別)。
「料理だけではなく、経営を学べたのが一番大きい」と渡邊さん。「一人一人のお客さんを大切にし、和気あいあいとした和やかな雰囲気の店にしたい」と意気込みを見せる。「大人のカップルや『おひとりさま』が来店しやすい落ち着いた雰囲気を感じていただければ」とも。
営業時間は17時半~翌1時。