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【インタビュー】西宮北口の美容皮膚科・形成外科 なつクリニック院長 大原 奈津恵さん

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西宮で活躍するビジネスパーソンを紹介する特集インタビュー。 リクルート住まいカンパニーが毎年発表する「関西 住みたい街ランキング」で7年連続総合1位に選ばれた西宮北口。今回は、この地で11年に渡り美容皮膚科・形成外科を運営されている、なつクリニック院長 大原奈津恵さんにお話を伺いました。

インタビューに答えるなつクリニック院長の大原奈津恵さんなつクリニック院長 大原 奈津恵さん

―― まず美容皮膚科と形成外科がどんな仕事か教えてください

形成外科は保険適用で診療が可能ですが、美容整形は保険が適用されない自由診療となります。 形成外科は、たとえば乳がん治療で切除した乳房の形を再現するための「乳房再建」の手術や、やけどの傷跡で悩んでおられる方の治療など、身体の外見に関わる部分のすべてが形成外科のカテゴリーと言えます。外科の分野において、形成外科は見た目もできるだけ改善しようと考え治療します。早くきれいに治すこと、治療後の見た目までケアすることを目指すのである意味マニアックです。その中でさらに美容に特化したのが美容整形。 形成という大きなカテゴリーの中に、美容整形があるイメージですね。

一方、美容皮膚科は、10年前にはなかった新しい診療分野です。皮膚科の中で、より見た目に特化し、きれいに治していきましょうというのが美容皮膚科です。たとえば、ニキビ跡をきれいにする治療など、保険でカバーできない自由診療の分野で発展してきました。2008年、正式な診療科として認められ一般に広まりました。

店舗外観

―― どんな方が通われていますか

形成外科の場合は、怪我・やけどの跡の治療が多いですね。あとは、良性腫瘍の切除。中でも、ほくろの除去が多いです。

美容皮膚科で多い診察内容は、しみ,しわ,たるみ,小じわ,ニキビ・ニキビ跡、それと脱毛です。こういった施術はエステサロンでも行っていますが、医療行為かどうかの違いがあります。

本来、医療脱毛の機械は、医師のみ購入・取り扱いが可能です。それを海外メーカーがあえて出力を低めに抑え販売することで、医師免許を持っていないエステサロンでも取り扱うことが可能になりました。「皮膚に何か塗る」「ケミカルピーリングする」まではエステサロンでも施術しますが、治療に医療機器が介在する、「皮膚に何か刺す」という行為になると、医療になります。 医療レベルの施術を求められる多くの方が、西宮に限らず関西近郊から当院に通われています。

なつクリニックのスタッフ

―― 医者という職業を選んだ理由はなんですか

幼少期から外科医になりたかったんです。もともと、自分の手を介して直接答えが見えることが好きだったので。内科だと、症状とデータから推察して診断を行っていき、薬一つとってみても個体差が大きかったり、データから反応を読み解くといったイメージです。外科の場合は、技術の差が見た目にハッキリ出るので、私に合っていると感じました。

大学6年生の頃、外科の分野でどのような進路に行くかという悩みがでてきました。 そんな時、大学の通常講義にはなかった「形成外科」の講義が夏休み期間に行われると知り、受講しました。そこで恩師との出会いがありました。その方は生徒の今後の人生を考え、寄り添ってくださる方で、「形成外科はまだ歴史も浅く、外科に比べると活躍の場も少ないと思うけれど、それでもいいの?」と、仰ってくださいました。入局後、「みんな、最初は上手い、下手はない。君たちが誇りを持って続けられると感じ、希望して入って来てくれるなら、将来を不安に思う事がないよう、僕が責任持ちます」と仰いました。 私が形成外科を選んだのは、この恩師との出会いが大きかったですね。

大学卒業後は、形成外科の研修医として大学病院で1年勤め、それから勤務医として大学病院、関連病院で7年ほど勤務しました。

―― 自分のクリニックを開業しようと思ったきっかけは何でしたか

大病院などで勤務する形成外科医は、癌の再建という非常に重要な手術に関わる機会が多くあります。たとえば、舌を半分失われた方、食道や胃を切除された方など、患者様の多くはこのような状況から治療が始まります。そのため、なかなか患者様の笑顔が見られないんですね。患者様と長期間関わることで「治ってよかった」と言っていただき、笑顔が見られる仕事がしたいと思ったことが、開業するきっかけになりました。

「全体の中でこのパート」ではなく、患者様1人1人と向き合い、施術し、アフターケアなどの関わりを深めた結果、患者様の笑顔に繋がる。私にとって、そういう働き方を可能にしてくれたのが「開業医」でした。

―― 開業の地に西宮北口を選んだのはなぜですか

私は、もともと大阪出身で、神戸の大学に通っていました。そのため、馴染み深い阪神間のどこかで開業できればと考えていました。開業を考えはじめた当時、西宮北口には阪急西宮ガーデンズもなく、人通りもまばらな静かな町で、乗り換えのため駅を利用している人が大多数でした。 駅周辺に美容皮膚科・形成外科も全くなかったのですが、私は「西宮北口は、東京のニコタマ(二子玉川)みたいな場所になりうるポテンシャルがある!」という思いがあり、この地に開業することに決めました。 開業後、街の繁栄を目の当たりにして「ほら!やっぱり!」と心でガッツポーズしました(笑)

阪急西宮北口駅外観

―― 経営は当初から順調でしたか

クリニックを開業する際、一般的に「診療圏調査」を行います。候補物件周辺の昼間人口、夜間人口、周辺に同じ科の診療所が何件あるか、様々な情報から来院予測患者数を定性的・定量的に推定します。当時、今の物件(駅南側)の診療圏調査の結果、1日の来院予測患者数は「皮膚科」が1~2人、「形成外科」はほぼ0でした。通常、1日の予測患者数が20人は超える場所を選択するため、こんな予測がでてしまうと普通は選ばないですよね(笑)

同じく候補地であった駅北側の物件は、南側の物件に比べ診療圏調査の数字の方が圧倒的に良かったのですが、車が少し入りづらい場所でした。当時、マイナーであった美容皮膚科の患者様にとって、車で来院・送迎できることは重要だと思い、道路が広く車が入りやすい、路面店である現クリニックで開業することを決めました。

とはいえ、この場所での開業はとても大きな賭けでした。最初の1ヶ月は、1日の患者様が2~3人。その後、ホームページやチラシ配りなど、地道な努力で徐々に来院数も増えてきましたが、やはり大きく変わったのは、阪急西宮ガーデンズのオープンですね。 駅周辺の再開発も進んでいましたし、それなりにポテンシャルはあると感じていましたが期待以上でした。その後、約3年ほどで周辺にはマンションが増え、人通りも車の行き交う台数も多くなり、街自体の活性化を肌で感じはじめました。でも、それまでは辛抱の日々でした。2013年~7年連続で関西の住みたい町ランキングで1位に輝く西宮北口で開業したことは、先見の明があったと今は自信を持って言えます。

阪急西宮ガーデンズ外観

―― 今感じている仕事の魅力とやりがいを教えてください

美容医療は新しい機器や薬剤、アプローチ方法などが次々と出ており、日進月歩の世界です。特に美容皮膚科は機械が主体なので、新しい機械を使いこなせるかが鍵となります。じゃじゃ馬みたいな難しい機械もあり、パワーが強いものほど事故も起きやすいので、術者は慎重に使い方を突き詰めていく必要があります。 「機械だったら誰がやっても結果は同じ」と思われる方もいらっしゃいます。同じ出力で同じ時間あてればそうかも知れませんが、そもそもどのくらい出力するかは、やはり経験によるところが大きいと思います。進化する機械を使いこなすために、技術を磨き続ける。すると、10年前は不可能だったことが可能になる。これは私にとても大きな魅力であり喜びです。美容医療は結果が見た目に出る治療のため、厳しい意見をいただくこともありますが、やはり答えがハッキリ出る医療は私のやりがいであり、原点です。

―― ちなみに今、人気がある施術は何ですか

今人気があるのは「ピコシュア」というピコレーザーです。シミ,毛穴,皮膚の質感,ハリくすみ,濃いシミ,肌のキメなどに効果が期待できます。次に人気の「スレッドリフト」は、手術などに使用する吸収性のある糸を皮下に入れ、切らずにリフトアップできます。ですが、針を通す行為など、レーザーより外科的なのでハードルが上がります。どちらかといえば、ピコシュアの方が幅広いため、需要が多いかもしれません。

サイノシュア社が開発したピコレーザー「ピコシュア」

―― 今後の目標を教えてください

11年目を迎え、親子で来院なさる患者様も増えつつあります。横のつながりや紹介などは以前もありましたが、二世代、三世代という縦のつながりは、10年以上この地で続けることで得られたものです。縦と横のつながりが広がり、美容皮膚科をきっかけに形成外科を知っていただき、形成外科の受診につながれば、うれしく思います。常々、形成外科医の間で話題になるのが “認知度の低さ” です。これは20年来の課題となっています。お母さんがシミ取りで美容皮膚科に来た事がきっかけで、お子様が怪我をしたとき「あそこに相談すればいい」と思い出してもらえることが増えてきました。美容皮膚科から形成外科、形成外科から美容皮膚科と双方向に認知を広げ、必要な方に、必要な医療を届けていきたいと考えております。

たとえば、帝王切開後、傷跡をそのままにしておくと悪化してしまうことが多々あります。専門医の見地からすると、帝王切開した後は早めに形成外科でケアすることをオススメします。しかも形成外科のケアは保険診療で受けられ、悪化を予防できます。それを知らずに悪化してしまうのはとても残念なことです。

―― 西宮でお気に入りのスポットはどこですか

兵庫県立芸術文化センター前の空間ですね。建築物としても美しいですし、冬のトワイライトタイムやイルミネーションも好きです。昨年まで、高さが約18メートルもあるセコイアの木がライトアップされる姿を見て、とても幸せな気持ちになっていました。ですが、台風の影響で、朝の通勤時にバサッと倒れる瞬間にたまたま遭遇して、とても寂しい気持ちになりました。今は新しい木が植えられています。まだとても小さいですが、以前のような立派な木に成長していくのを、私も楽しみながら見守りたいと思います。

高松公園

―― 最後に読者にメッセージをお願いします

美容皮膚科・形成外科は「自分には必要ない」と思われる方も多いと思います。ですが、ニキビや傷などは初期治療がもっとも重要です。早く対応することで全く違った結果を得られます。早期治療を行った結果、長期通院せずに良い結果を得られることも多くあります。「こんなことを聞いてもいいのかな」と遠慮することなく、どうぞお気軽にご相談ください。

なつクリニック 院長 大原 奈津恵 (旧姓:福田 奈津恵)

日本形成外科学会認定 形成外科専門医
神戸大学医学部を卒業後、神戸大学付属病院で形成外科研修医・形成外科医員として勤務。その後、淀川キリスト教病院、済生会中津病院などを経て2008年3月になつクリニックを開院。健康と美容の両方の観点からトータルで患者の外見に関する悩みをケアする。学会発表、論文、講演など多方面に活躍する。
なつクリニック美容皮膚科・形成外科

〒663-8204
西宮市高松町3-3 ジオタワー1F
西宮北口南出口より徒歩3分
0798-66-0008
なつクリニック公式サイト
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